ご挨拶

日本遊戯療法学会 第26回大会 大会長  森田 喜治

 
 日本遊戯療法学会第26回大会を、2020年7月に開催する予定でしたが、ご存じのように世界的なコロナウィルスの流行により延期し、2021年5月2日 (日) 、3日 (月) の2日間、龍谷大学で延期開催させていただくことになりました。

 テーマは延期前と同じ「心理療法としての『遊ぶこと』」としました。コロナ禍の中、私たちは新たな体験を重ねているものと思われます。医学的な観点からの対策はもちろん大切なことではありますが、それゆえにストレスによる心の問題が増加しているように思われます。昨今、遊戯療法が心理療法というより、大学においての初心者の経験のために用いられているきらいがあり、遊戯療法という重みを感じないことがあります。また実践の場面でも遊戯療法の基本が崩れ、片手間に遊戯療法がおこなわれ、もはや心理療法とは思えない状況になっているところも見受けられます。
遊戯療法は「遊び」を用いた心理療法であり、言語を媒介とするのではなく「遊び」という非言語的行動を媒介として子どもが表現しようとしている心の真実に迫る方法であると理解できます。

 「遊び」を物やテクニックとしてではなく、その行動の中にある意味を理解し、「遊ぶこと」として、そこに人間の心に潜在する世界を含みその表現を媒介するものであるのと同時に、それを枠に守られた非現実空間の中で展開される子どもの現実の心の表現であり、遊びそのものの持つ心の場として心理療法に用いられていると理解できます。ワークショップではこの遊びのもつ特殊性を様々な観点から紐解き、心理療法として遊ぶことの意味を探索していきます。また公開講演会では延期前と同じく岩宮恵子先生に現代の若者の心の理解から、また、公開シンポジウムでは同じく小松和彦先生に妖怪学の立場から話題提供をいただくことをご了解いただくことができました。シンポジウムでは指定討論者として妙木浩之先生に代わり木部則雄先生と前回と同じく川戸圓先生とのディスカッションの中で妖怪の現象と遊びの現象との中に含まれた日本独特の心の表現を模索してみたいと思います。特に遊戯療法と妖怪学がどのようにつながっていくかはひとつの挑戦的な試みとなるかもしれません。ここ京都は、遊戯療法のメッカであるとともに、学生の街であり、また妖怪の聖地ともいわれており、青少年と遊びとのつながりや妖怪と遊びという日本人の心の世界をつなぎ理解するのに最も適した場であるといえるかもしれません。

 龍谷大学は一昨年創立380周年を迎え、大学としては日本では最も古い大学であります。特にここ大宮学舎はその開校の頃の雰囲気を漂わせており、校舎は重要文化財に指定されております。今回使用します教室は、2018年に完成した校舎で、最新の設備を備えるとともに外観は当大学開校期の頃の教室をかたどっております。この新旧の合体した新しい校舎で大会を開催できることを大変嬉しく思います。

 コロナウィルス感染の脅威が依然衰えをみせません。当日大会準備委員会としても最善の配慮をしますが、参加される皆さんにおかれましてもマスクの着用、手指の消毒、検温、ソーシャルディスタンスにご協力いただきたくお願い申し上げます。

 大会準備委員会一同、皆様のお越しをお待ちしております。

 

龍谷大学大宮キャンパス

2019年10月2日

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